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2012年09月17日

世界の富の平準化に抗う

今起きていること。日本人の賃金を下げよ。リストラせよ。雇うな を読んで感じた違和感や気になったことが整理できたので書く。

「グローバル経済が浸透して世界の富が平準化するまでデフレが続くのではないか」
デフレとは何か?
通貨の価値が上がって、物の価値が下がると言うこと。
国内のデフレやインフレだけを見て、世界の富と比較することは出来ない。
為替レートも勘案しなければ、富が平準化して行っているかどうかはわからない。
デフレで通貨の価値が上がり、円高になっている状況であり、対外的に見た富が変化しているとは言い切れない。
給料が上がり、インフレになり、円安になったとしても、対外的に見ると富が変化しているかはわからない。
すべてを円ベースで見た場合に、給料が下がり、海外賃金が上昇しているのであれば、富は平準化しているといえる。
平均賃金は下がり、中国の賃金は上昇しているので、確かに日中間を見れば富は平準化している。
中国の賃金上昇によって他国に工場を移した場合、その国の賃金が上昇すれば富は平準化している。
ただ、これは平均賃金であり単純労働価値の低下ではないかと考えられる。
海外で代替可能な単純労働は海外へ移り、労働価値が下がる。
また、単純な海外移転のみでなく、機械化自動化によっても単純労働の価値は下がる。
機械化自動化による効率化はエネルギー効率を改善し、生産コストを低下させる。
残酷な見方をするのならエネルギーとは人力も含む。
単純労働をエネルギーとみなすのであれば、海外の方がエネルギー単価が安く、国内の方が高い。
それならば海外に移転しエネルギー源を移せば低価格化する。
もし、多くのエネルギーを発する人がいたのなら、その人のエネルギー単価は安いといえる。
それならば取り得る戦術は2つ。
入力を減らすか、出力を増やすこと、もしくはその両方。
つまり、仕事の効率を上げるか、高価値な仕事をするか、賃金を下げること。

グローバル化すると単純労働者の低賃金化は避けられない。
単純労働でない人の賃金が下がっているのは、その人が価値を提供している人達の賃金が下がっているか人数が減っているか提供している物の価値が低下しているか。
労働効率や内容を変えずに低下を避けるには、その逆の戦略をとる必要がある。
つまり、賃金が上がっている人達に価値を提供し、提供する人数を増し、提供している物の価値を上げる。
上述のように世界では賃金が上がっている人達はいる。
国内だけではなく、海外にも人間はいる。

厳密に言うのなら世界の富ではなく、人の価値か。
海外の教育水準は大きく上昇し、国内の教育水準は停滞しているのではないか?
教育水準の差が縮まっているのであれば、人の価値が平準化していくのは避けられない。
私たちはもっと教育に投資しなければ相対的な価値の低下に抗うことは出来ない。
自己投資をして価値を高める、子供にもっと教育投資をする、後輩にもっと教育投資をする、教育予算を増やす。
自分やみんなの価値を高め続けなければならない。

グローバル化に抗うには、これらの戦略と戦術を持って戦う必要があるのではないか?
世界のルールがグローバル化へと変化したのであれば、今までと同じ戦い方では負け戦であろう。

投稿者 Takenori : 2012年09月17日 19:24


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