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2015年05月12日

プラスティック・メモリーズのギフティア仕様について合理的理由を考えてみる

プラスティック・メモリーズのギフティア仕様は不可思議な部分が多い。
これら仕様について合理的説明が可能か考えてみる。


1. 稼働時間は81920時間

この時間を超えると記憶や人格が壊れだすと言う物語の根幹仕様。
時間制限について考えてみる。
思い付くのは以下。

A. 物理的限界
B. 容量的限界
C. 保守サポート期間的制限

物理的限界はパーツ交換で何とかなりそうであるし、ボディーはそのままで中身入れ替えは可能と言うことなので、物理的限界による時間制限とは考えづらい。

全てを記録しているとなるとその容量は莫大なものとなる。
特に画像に関するデータが全て保持されているのなら、9年以上となると途方もない容量が必要に思える。
つまり、81920時間のデータを記録することは可能だが、それ以上は容量的に記録できないため、時間制限が設けられている可能性。
比較的納得感のある理由ではあるが、ギフティアにサイズ差があっても均一容量なのは少し気になる上に、容量追加が出来ないのは理由がわからない。
9年もあれば記憶容量は何倍にもなっているはずなので、置き換えなどで容量追加は十分可能と思えるが、それが出来ない。

ほぼ人と同じような思考が可能なシステムは相当高度であると考えられ、保守を続けるのはなかなかに大変であると思われる。
そのため保守サポート期間の制限が設けられているのは当然だろう。
ボディーそのままで中身入れ替えられると言うのもソフトウェア保守期限が原因であれば納得のいく理由である。
記憶や人格が壊れだすと言うのは保守期限からは説明しづらい。
演出だろうか。

容量と保守期限が原因であればある程度説明がつくが、完全には無理に思える。
両方の理由からくる制限であれば、説明可能である。
保守期限から容量が決められ、それによって新規記録が出来なくなり稼働限界を迎える。

2. 稼働限界を超えると記憶や人格が壊れだす

稼働限界を超えると速やかに動作停止するなどすればいいのに、なぜか記憶や人格が壊れだす。
動作停止だと意図しない場所で止まり、そのまま持ち去られる可能性も考えると動作停止ではなく、自律帰還モードなどで家に帰る動作が好ましい。
ロボット掃除機ですら充電が切れそうになると戻って充電してくれる。
自律帰還が出来ない場合にも備えて、救難信号の発信も備えているとより安全。
が、これらを備えず、記憶や人格が壊れだすと言う動作をする。
自律帰還が搭載できない理由として、GPSが法的に搭載できないので画像情報の分析などによって帰還を行わねばならず、限界を超えた場合にその動作を行うことが困難はありうるかもしれない。
普通に考えれば、十分な安全率を考えてそのようになる前に自律帰還モードに移るなどするはずなので、まともな設計者であればそのように作るとは考えづらいが。

記憶や人格が壊れだすのはなぜか?
容量が限界に達したので必要な記録を上書きしてしまいデータ破損、記憶や人格が壊れだす。
消える情報によっては動作が不定となる。
…… 最悪の設計である。
ボディの再利用とは記憶装置を含まないとして、記憶装置の物理的限界が来るとした方がまだありそうだが、そうなる前に交換した方がいい。
ギリギリまで使うのは危なすぎる。
そのための回収屋かもしれないが、稼働限界を超える前に回収される前提で、回収されなかった場合の挙動は不定と言うような設計は現実的にありえない。
回収前提でシステム組むのは危険すぎるうえに、GPSの搭載などが出来ず位置の特定も人力で探すとか無茶すぎる。
この動作・仕様に合理的説明を考えるのは無茶かもしれない。

3. 稼働期限を過ぎるとたまにワンダラー化する

仕様と言うよりも、どう考えてもバグです。
リミッターが外れてパワーが上がり人を襲う。
こんな仕様を組み込むのは狂気の沙汰である。
現実的に考えれば不具合であるとしか考えられない。
そしてこの不具合が顕在化するのは9年後である。

法的にギフティアにも人権がありGPS埋め込みなど出来ず、不具合修正には人格や記憶に影響が出ると仮定すると既に出回っているギフティアの修正は難しい可能性がある。
また、必ずなるとは限らず、発生すると物理的、ソフトウェア的に破壊されることが多いとなると原因の追究は困難かもしれない。
ただ、作品中の世界ほど普及しているのであれば、原因の究明と修正は完了している可能性が高い。
何時発売されたかはわからないが、発売から18年程度経てばこの問題から解放されるのではないだろうか。
初期の日本製Android端末は欠陥端末と思えるほどの不具合を含んでいたりしたが、キャリアの2年縛りによって使用を余儀なくされたりしたことから、そうなるとわかっていても使い続けなければならないこともある。
もしかしてら欠陥が隠されているのかもしれない。
そんな欠陥あるとリコールされるだろと思っても、ギフティア好きな人たちが政治力を発揮して人権を与えてしまったものだから難儀なことである。

4. 期限が迫るにしたがって性能低下する

ボディは再利用可能であり、故障時にパーツ交換などしていそうなことから実に不可解な仕様である。
物理的な理由でないのなら、ソフトウェア的な理由で発生していると考えられるが、何らかの副作用とも考えづらく、そういう仕様として作られていると思われるが、そうする合理的な理由がない。
また、作中では避けられない現象のように描かれていてますます謎である。
経年劣化による出力低下であるとすれば作中での描かれ方とは一致するので、ボディの再利用の意味が異なるのかもしれない。
ただ、それでもパーツの交換で機能回復すると考えられることから、やはりソフトウェア的な理由と考えるのが妥当か。
経年劣化を考慮して次第に出力を絞る動作となるように組まれていると言うのはあるかもしれない。
単純に人のような挙動をさせるために組み込みれた機能かもしれない。
もしくはワンダラー化の不具合と同じように不具合の可能性もある。

ここまで色々と考えてきたが、ほとんどの動作は不具合と政治的理由によるとみるのが合理的に思える。
いつの時代も不具合と政治的な理由に奔走されるのは避けられないのか。
作中のエンジニアたちに同情せずにはいられない物語である(なんな話じゃない)。

投稿者 Takenori : 2015年05月12日 23:35



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