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2008年12月27日

不景気の正体

不景気の原因はデリバティブのバブルのようです。
デリバティブの市場規模は、6京円と言われています。
いくら世界規模とはいえ見たことのないような桁です。
「デリバティブ バブル」で検索すれば、京という金額をいくつか目にします。

デリバティブとは、金融派生商品といわれるもので実体はありません。
私がデリバティブを知ったのは5年ほど前だったと思いますが、その時にこれはヤバイと思いました。
その時知ったのはオプション取引です。

オプション取引とは、ある一定期間後に株などを○円で売る、もしくは買う権利を売り買いすることです。
なんだそれ? って感じですが、これによって大幅なリスクを回避することが出来ます。
株が予想に反して大きく値下がりした場合、○円で売る権利を持っていれば、オプションの代金と○円と購入額の差額だけで損失は済みます。
また、値下がりしなければ権利を発動させずにおけば、オプションの料金だけ損します。
ただし、当然のことながらこの権利は表裏一体で、売る権利と買う権利の両方がなければ成立しません。
つまり、どちらかは得をしてどちらかは損をします。

この取引を良く見れば、その実体が保険の一種であることに気付くと思います。
保険は、条件が成立しなければ保険料をもらうだけのおいしい商売です。
条件の成立する確率が統計的に求められ、それによって料金を設定して、商売を成立させています。

今回最も問題だといわれているのは CDS と言われる債券に対する保険です。
債券は、発行元がなくならない限り、きちんと支払われる可能性が高いです。
そのため、通常の経済状態ではリスクが低いと考えられます。
低リスクで儲けられると思われた CDS は、保険会社のみならずヘッジファンドも扱うようになっていったようです。
取り扱う会社が増えれば価格は下がり、確率的に求められた価格よりも下回ってしまうことになってしまいます。
この状況を見て、保険最王手の AIG は、危険すぎるということで、途中でこの CDS の取り扱いを止めています。

そして、今会社の倒産が日常茶飯事になってきました。
こうなると保険料の支払いが頻発します。
支払い金額全てをヘッジファンドが保有しているかというと、その可能性は低いでしょう。
となれば、支払いできなくなったヘッジファンドは倒産してしまいます。
こうなると保険をかけて債券を買って保有していた会社も債券分損をします。
その損が致命的な金額であれば、その会社も倒産してしまいます。
その会社が倒産すれば、もし債券を発行していた場合、また保険料の問題が発生します。
連鎖倒産です。

こうなってくると CDS に値段はつきません。
いったいいくら含み損があるのか不明です。

今 CDS の問題が破裂しないように、この金額が大きいところを優先的に公的資金を注入しているようです。
ただ、規模か規模だけに全てを公的資金で何とかするのは無理があるようです。
いつ破裂するのか?
今はただその時期を待っているだけです。

投稿者 Takenori : 2008年12月27日 14:04


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