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2011年03月22日

電力の需給バランスによる人口移動試算

現在関東地方では大幅に電力が不足している。
もし、その不足分を消費している人が他の地域に移動すると仮定して計算した場合どうなるか検証してみる。
電力需給によって人口がバランスするという仮定はかなり強引だが、あくまで試算と言うことで計算してみる。

以下の記事から夏場の不足分を推測する。
東電の計画停電、今夏・冬も 大規模火力発電所、被害大

現在の供給力は3500万kW、4月中に4000万kW、夏までに4700万kW、夏場は6000万kW程度必要。
この記事に書かれていることは、あくまで予定なので計算を簡単にするために、仮に夏までに用意出来るのは4000万kWとしたら、全体の 2/3しか供給できないことになる。

もし電力需給が釣り合うまで人口が移動すると仮定すると、1/3 の人が関東圏から移動することになる。
もっと少ないと考える方が自然に思えるが、おおざっぱに計算するためにこの値を使う

東京電力のグループ停電対象都道府県の人口を国勢調査による統計(2010年)Wikipediaから割り出すと以下の通り。

東京都13,161,751人
神奈川県9,049,500人
埼玉県7,194,957人
千葉県6,217,119人
静岡県3,765,044人
茨城県2,968,865人
栃木県2,007,014人
群馬県2,008,170人
山梨県862,772人
合計47,235,192人

約4700万人となる。
日本の人口は約12800万人なので、1/3以上がこの地域にいることになる。
すごい密集率だ。
グループ停電対象に入っていても東京電力でない地域もある。
静岡は50Hzと60Hzの境界があるので、実際は人口全てとはならないが、あくまで概算なのでこのまま計算する。

この人口の 1/3 となると 約1600万人。
これは東京都の人口以上になる。
これだけの人が移動すれば一人当たり均等に電力を使っていると仮定した場合にバランスが取れることになる。
夏までに人を減らして消費電力を抑えて停電を回避するというのは相当難しいことがわかる。
ただ、ここではこのまま計算を続ける。
この人数を一つの都道府県で受け入れるのは到底不可能に思える。
何せ大阪府の人口の倍程度なのだから。

では、他の地域全てを合わせたら可能なのだろうか?
3/22 にYahoo!不動産で賃貸住宅の件数を検索した結果は以下のようになった。

近畿303,856件
東海173,569件
九州・沖縄98,219件
中国57,222件
四国21,286件
北海道70,278件
合計724,430件

Yahoo!不動産に登録されている移動可能と思われる地域の空き物件数は約72万件
移動のしやすさからすると単身世帯が多いと思われるが、仮に2人で住むとしたら、約140万人分あることになる。
ただ、全不動産がYahoo!に登録されているわけでは当然ない。
どの程度登録されているかは不明だし、空き家として放置している家もあるはず。
そこでこの10倍以上は空き物件があるとすると約1400万人分となる。
地方は今までどんどん空き物件が増えていっているのが実感できる状態だったので、相当数空いている可能性は高い。
他にホテルや旅館、ウィークリーマンション、マンスリーマンションに滞在は可能なので、約1600万人を受け入れられないことはないのではないかと思う。
10倍以上あると言う予測次第だが。

以上、電力の需給バランスが取れるように人口が移動する仮定で計算を行ったが、人口移動のみで電力需給をどうにかすると言う方法はあまり現実性がないように思える。
ただ、確実に消費電力を減らせるのは間違いないので、人口の移動と他の対策によって電力不足を解消する方向になるのではないかと思う。
政府が何もしなくても、既に多くの人が他の地域に移動して行っているので、人口移動による電力消費の低減はある程度出そうではある。

人口移動以外の方策も後ほど他の記事で試算してみる。

投稿者 Takenori : 2011年03月22日 23:28


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